五輪のメダル


今日も朝から晩までトリノトリノと騒がしいわけですが。


「メダル有力」と冠された競技でことごとくメダルに手の届かない日本選手陣。
誰が第一号のメダルをとってくれるのかという話題も、30年ぶりのメダル無しも
現実味を帯びて、マスコミもますますお熱になっているようです。
目下の所、女子フィギュアに目が行っていますね。他の競技はお慰み程度で
伝えるぐらいですから、なんだかなぁ。


そんななかでも、それほど女子フィギュアほどは期待されていなかった
女子カーリングのここのところの調子の良さは小気味良いですね。
加藤ローサ主演のカーリング映画の観客動員も微妙に増えているとかで、
勝てばマスコミが伝え、それだけ露出が増えると、カーリングにも興味が行き、
もしかしてカーリングって面白い?と思わせるよい連鎖が見られます。*1


一方で、メダルを逃がしている状況が深刻化してくると、
メディアの中の人も、少々焦ってくるのでしょうか。早くも後半戦に入りました。
煽るほどこっち側の我々は期待してしまいますから、
なんだか思ったほどふるわないなぁと感じてしまうのですが、
自国開催の長野は別格として、ソルトレイクでも銀1銅1だったのですから、
普通に考えて、毎日のようにメダルが出るとは思えないのです。


夏のオリンピックの競技ほど興味を普段から持たれているとは
思えない冬の競技なんですが、選手達もスポンサー集めから
練習場の確保からといろいろなことで、環境面は他の強豪国に比べても
あまりよく無いらしいじゃないですか。
それなのに、オリンピックとなると特別なんでしょうね。
過度なプレッシャーをかけすぎだと思われます。


こういうことも散々煽ってきたのに、オリンピックで成績が残せないことから
はじめて浮き彫りになってわかって来たことなんですけど。遅いか。


選手側や協会の人たちはそういうことはわかっていたと思うのですが、
テレビのこっち側の人間としては、メダル有力種目といわれると、
「ほへ〜そうなんだ、じゃあ期待して見ちゃおう。」ということになるわけで。
メディアの中の人も、見てもらわなければ話にならないので、そりゃ煽りますよね。
スノボでも、ハーフパイプでメダルを取っていた選手達は、
普段はW杯などには目もくれず、Xゲームという賞金のかかったところで
プレイしているプロの選手だったわけで、W杯で表彰台に乗ったからどうこうという問題
ではなかったのですね。差がありすぎと見ている誰もが気づいたことでしょう。


中国や韓国はなんとなくイメージですが、国家的なサポートがあった
上で選手達が練習に取り組める環境がありそうで(汗)、
ドイツでは選手達に無料でスケートリンクが解放されているという話もあります。
日本の場合は、メディアと密接に関わり合っていて、
企業の方もメディアで取り上げるような選手をサポートすれば、
会社の利益に繋がるというように考えるのでしょう。それが自然です。
他の国でもそうなんでしょうけど、なんというかスポーツに関するものの見方が
まだまだ違うというか、ここらへんの土壌は徐々にしか社会に浸透しないのかもしれませんがね。
中国とかだと国家プロジェクトとして、欧米の国々だと
それなりの報酬の得られるスポーツとして社会に定着している空気もあり、*2
どっちつかずの日本はなんとも宙ぶらりんな印象なのです。


びっくりドンキー」に拾ってもらったスピードスケートの及川選手のように
急に脚光を浴びた企業もありますね。「先行投資」は成功だったわけです。
スノーボードクロスの藤森選手も、今後はメディアが注目することになるでしょう。
まぁしかしこのような成功例ばかりでなく、多くの選手がなんらかの理由で
機会や環境を奪われている状況で、メダルをとってくれ〜とオリンピックの時だけ
祈ってもそりゃ無理な話ですよね。


単純にメダルを取りたかったら、選手が世界との差がありすぎるというより、
環境的なサポートが必要なんでしょう。もっと強固な。
煽るのと応援するのは違うわけで。「応援」というか「支援」が必要でしょう。
競技の時だけ「応援」するだけでなく、「支援」というか。
強化プロジェクトとしても、スポンサーを集めるには、
なかなか世間的な興味を集めづらい競技が多く、
メディアに取り上げられるのもこうしたオリンピックがほとんど。ということで、
日本の選手達にとっては、純粋にメダルを取る以上の意味がありそうです。


また他の分析によると、ベテランのスピードスケートの清水や岡村、
ジャンプの葛西・岡部・原田のような人たちと、今度が初めてのオリンピックという
選手達に大きく二つに分かれており、その半ばの世代がいないことも
問題視されていました。オリンピックという舞台で、初めてだからこそ
思いっきりできる選手もいるかもしれませんが、なかなか実力が発揮できない部分も。
若手の有力選手達には、「今回の経験を積んでバンクーバーで。」という流れも
どこかしらにあるそうです。その意味では別に今回メダルが取れなくても、
将来性には期待できます。そりゃ今回取れればそれにこしたことはありませんけれども。

*1:http://blog.livedoor.jp/warata2ki/archives/50025831.html 若干注意

*2:アルペンとかジャンプの盛り上がりが空気的に違うようです。その分選手の待遇もいいでしょう