刑事どん亀

ナショナル枠らしく、ある程度の年齢層にもわかりやすい作り。
劇中に出てきた携帯がP902iP701iDだったことも、ナショナル枠を物語る。
これまで水戸黄門枠として、我が家では定位置だったその枠だが、
新番組になったからといって、急にチャンネルが変わることはない。
定番の勧善懲悪で少しアウトサイダーで、それでいてニクメナイ。という
まぁ想定の範囲内のドラマであろうと思っていた。


ところが、その「定番」というか「ベタ」な展開を超越した脚本に驚かされる。
ホニャララ王国から国交回復記念に送られた宝石が女3人組に盗まれる
という、都会(まち)はきらめくパッションフルーツな展開にあんぐりしたかと思いきや、
その3姉妹の長女が西山繭子という思わぬホットな展開に釘付け。
当初、若者需要は黒谷友香が一手に引き受けるとおもいきや、西山繭子を長女に
三女にはほのぼのレイクを従えるイリュージョン集団が事件に関わっていることで、
そのへんの興味も十分に満足できる内容と確信する。


そのおっぱい西山繭子であるが、
実は見るからに悪役の大物政治家(石田太郎)とミラクル三井篠井英介*1
によって、父親を人質に取られ、やむにやまれずキャッツアイ行為を繰り返していたのだった。
今回の事件も、政争に巻き込まれた形で、ホニャララ王国との国交を回復させた大和田伸也(たる繊月)
を王国の大事な宝石を盗まれたことで失脚させようとするものだった。
ぴったりスーツで赤外線の網をチャーリーズエンジェルよろしくの勢いで突破し、
見事に宝石を盗み出したが、(あえて)トランプのカードを現場に残して
警察に父親を救ってもらおうとしたのだった。
どん亀率いる警視庁極秘捜査課の力で3姉妹と父親を救おうとしたが、おっぱい
長女・西山繭子はミラクル配下のピストル攻撃から父をかばって、あえなく死亡。


美人に弱い沢村一樹は怒りに狂って、真犯人を追いつめようとする。
ミラクル三井篠井英介)に「盗まれた宝石は実は偽物」という情報を流し、
どこぞの会長に扮した西田敏行が悪者一味をおびき出すことに成功。
そのおびき出すのに使われた豪邸の玄関が、「雨と夢のあとに」で主人公・雨(黒川智花)の
母親(杏子)の住む家の玄関に似ているような気がしたのも、雨の父親役であった
沢村一樹感をいっそう高まらせる(意味不明)。


その一方で、このあいだまで湯布院で野菜を作っていたはずの渡辺いっけいが、
例の指だしグローブをつけたオタクハイテク捜査員として極秘捜査課で
存在感を示し、やたらとキーボードを叩きつける音が耳につくものの、
「いっけいが使用しているくるっと回転するデュアルディスプレイはかっちょええな」とか、
「あんなのどこで売っておるのだろう」と別の興味を引き出すことも忘れない。


そうこうしているうちに、見事に宝石のありかを聞き出し、「代官と越後屋」関係にあった
石田太郎篠井英介を「成敗」することに。
まぁ、黄門様が警視総監だったり、極秘捜査課との繋ぎ役が「功名が辻」で秀吉役の
柄本明で、極秘捜査課課長が家康役の西田敏行だったりするのだけれども、さすがの
安定感で、これで月曜8時は安泰だなと思わせる初回であった。

*1:後で実況を覗いたら、ミラクル三井キターの嵐